TICAD9パートナー事業ユネスコ平和セミナー「アフリカの平和と未来を考える」
日時:2025年7月19日(土)14:00~16:00
会場:横浜市開港記念会館4号室
参加人数:23名
実施概要
2025年8月に横浜市で開催されるTICAD9(第9回アフリカ開発会議)のパートナー事
業として、横浜ユネスコ協会主催ユネスコ平和セミナー「アフリカの平和と未来を考える
」を開催しました。SDGsの達成期限が迫るなか、アフリカでは紛争による人道危機が深刻
化しています。そこで本セミナーでは、専門家による講義とアフリカ人留学生の意見をも
とに、アフリカの平和構築において日本がなしうる貢献について議論を行いました。
実施内容
セミナーの前半では、横浜国立大学名誉教授の小池治氏から「アフリカにおける人道危
機」と題する基調講義がありました。小池氏によれば、紛争や気候変動から人道支援が必
要な人口は世界で3億人に達しており、とくにアフリカでは難民や国内避難民が急増して
います。紛争の根本原因の一つである民族対立を克服するためには、多様性・公平性・包
摂性を理念とする「インクルーシブ・コミュニティ」の構築が鍵になります。この点で、
日本の「まちづくり」の経験を伝えることは大きな貢献になると述べました。
セミナーの後半では、横浜国立大学で学ぶアフリカからの留学生(ウガンダ、コートジ
ボワール、エチオピア、南スーダン、ルワンダ)からアフリカの平和構築についてショー
トプレゼンテーションがありました。留学生からは、国内における地域間不均衡、鉱物を
めぐる紛争、選挙制度への信頼性等の問題が指摘され、伝統的な和解制度の有用性や地方
政府の行政能力向上の重要性が述べられました。会場からも多くの質問が寄せられ、活発
な議論が交わされました。
実施効果
セミナーにはアフリカ支援に取り組んでいる団体、国際協力を学んでいる大学院生、一般
社会人など多様な人々が参加され、アフリカの人道危機の現状と平和構築において日本が
果たしうる貢献について広く問題意識を共有することができました。
なお、本セミナーの実施に当たっては、鎌倉ユネスコ協会、一般社団法人アフリカ協会、
国際開発学会横浜支部の後援をいただきました。